FXで借金を背負うってどういう事?もし借金が出来てしまったらどうする?
為替市場が活況になると、メディアがこぞってトレーダーの儲け話を扱うようになります。
主婦が家事の間に100万円稼いだといった話を聞けば、誰でも興味を抱いてしまうはずです。
ところが相場の世界では、利益を出した人がいるぶん、損失を被る人もいます。
投資目的としてFX取引を始める時には、借金を背負ってしまう仕組みと返済方法についても詳しく調べておきましょう。
取引方法を理解していないと借金を背負う
FXを含む金融商品には、2つの取引方法が存在します。
1つ目は現物取引と呼ばれる、口座資金の範囲内で買い付けを行う方法です。
口座に100万円が入っていれば、100万円ぶんの取引しかできませんので、どれだけ負けても損失は100万円で抑えられます。
2つ目は信用取引です。
こちらはレバレッジによって、口座資金以上の取引が行える方法です。
口座資金が100万円であっても、レバレッジ10倍で取引をすれば、1000万円までの買付ができます。
そしてFXの場合、基本的には信用取引を用いてトレードをすることになります。
つまりレバレッジによっては、全財産を使っても払いきれないほどの大損が生じる可能性もあるということです。
指標発表や世界を巻き込むような事件が起こると、為替市場は驚愕の変動を見せます。
トイレに行っていた数分の間に、資金が壊滅的な打撃を受けたという人も少なくないのです。
気づいた時には手遅れとなるFXのリスク
FX取引が行える会社は国内だけでなく、海外にもあります。
国内を拠点とする証券会社では、レバレッジ規制により上限が25倍と定められています。
しかし海外業者を経由すると、100倍や200倍、高いところでは1000倍までの取引ができてしまうのです。
そしてハイレバレッジという魅力に吸い寄せられて、海外業者を利用する日本人トレーダーが増加しています。
必要証拠金が十分に準備できていなければ、ちょっとした為替レートの値動きにより、強制決済を喰らうかもしれません。
強制決済が発動すれば、逃れようのない負けが確定しますので、ハイレバレッジになるほど借金リスクも高まると言えます。
また証券会社側でシステム障害が発生すると、取引画面にログインできない、出しておいた注文が正常に執行されないこともあります。
規約や補填される額にもよりますが、トレーダー自身のミスでなくても損失を被る場合も考えられます。
極々稀なケースですが、外部要因によってお金がなくなってしまうかもしれません。
FXで借金を作ってしまった時の対処方法
まずは証券会社へ問い合わせしましょう。
安定した収入があり、金額がそこまで大きくないのなら、交渉によって分割返済が可能となります。
トレードで絶望的に負ければ、給料や資産では全く足りない人もいるでしょう。そうなると、債務整理という法的手続きに頼るしかありません。
ただし借金を0にしてくれる、自己破産がFXでは適用されません。
なぜなら、わざと博打要素の強い取引を行い、負けるたびに自己破産をする人がいるからです。
そのためFXでは、自己破産ではなく裁量免責という債務整理の手段から、借金返済の目処を立てていきます。
裁量免責とは、裁判所の裁量で借金の額を減額してもらう手続きです。
不正な取引ではなかったか、どれだけ反省しているかなどのポイントから、裁量免責の許可が下ります。
法的手続きのため、法律事務所や弁護士事務所へ依頼することになります。
裁量免責を貰えるかは裁判所次第となりますので、人によっては認めてもらえないことがあります。よって債務整理の実績が多い事務所を選ぶと良いでしょう。
インターネット上から専門事務所を検索すると、公式ホームページ内でどのような案件を主に扱っているのかが分かります。
最近では消費者金融への過払い金請求など、債務整理を利用する人が増えており、専門的に取り組んでいる弁護士も多いです。
メールや電話での無料相談サービスを利用すれば、実費なしで概ねのスケジュールなどを教えてもらえます。
FXで借金を作ってしまったのなら、死んだ方が早いと人生を諦めるのではなく、専門家に相談することから始めましょう。