大学を博士課程まで行く場合の奨学金による借金はいくらになるのか
大学で勉強をするにはお金がかかります。
大学院に進み博士課程までとなればさらにお金が必要です。
全員がそのお金を用意できるわけではなく、現在日本の大学生の半数ほどが奨学金制度を利用して学費を確保しています。
しかし、奨学金はいわゆる借金で卒業後には返済しないといけません。
今回は博士課程を目指す場合にどのくらいの額を借りることになるのか、こちらについて書いてみます。
奨学金による借金の額
博士課程を目指す場合、まず大学に4年通い卒業、その後に最短2年の修士課程を経てようやく博士課程に進めます。
博士課程を修了するには最短でも3年かかりますので、合計で9年間は大学・大学院に通わないといけません。
この期間ずっと奨学金を借りるとなれば借金の額もかなりの額になってしまう事は想像に難しくないでしょう。
奨学金は毎月いくら借りるかをある程度自分で選べますし、学校などによっても額が変わってきます。
一概には言えないのですが、博士課程までと考えた場合の総額は1,000万円を超えることも珍しくありません。
大学4年間での奨学金の額が500万円前後になり、その後の修士課程と博士課程で同じくらいのお金が必要になる計算です。
学生のうちに1,000万円を超える借金をする、これはかなりのリスクですよね。
実際現在の日本では奨学金が返済できなくなってしまう方も増えています。
もし奨学金を貰いながら博士課程を目指す場合、借金の額も相当なものになってしまうということは頭に入れておく必要があるでしょう。
借りる前に、奨学金でいくら借りるのかを事前に考えておかないと将来困ることになるのは間違いなさそうです。
できるだけ借りる額を減らす工夫を
無計画に奨学金を利用していると卒業後に1,000万円以上の返済が待っています。
すぐに良い仕事を見つけられ、返済も無理なくできる状態になれば問題ありません。
しかし博士課程を終了しても仕事がなかなか見つけられず、その一方で奨学金の返済に追われるという人も決して少なくありません。
少しでも返済負担を減らすためには、まず借りる額を最小限に抑えることがポイントです。
たとえば近くの大学なら一人暮らしをせずに自宅から通う。
アルバイトをしてお金を貯めておく。
必要以上に奨学金を借りないといった工夫が求められます。
もちろん自宅から通えるとは限りませんし、学業に専念したいと思えばアルバイトをするのも難しいでしょう。
簡単なことではありませんが、できる範囲で節約を心がけることは大切です。
奨学金という名称だと実感が沸きにくいですが、学生のうちから多額の借金を抱えることになるわけですから注意が必要です。
返済不能になる人が増加している
1,000万円以上の借金を返済する、これは恐らく学生さんが想像する10倍以上は大変なことです。
大学卒業後返済できなくなってしまう人も増加傾向にあり、ある種の社会問題と言えるかもしれません。
一般的に借金は年収の3分の1を超える借り入れはできません。
逆に考えてみると、本来サラリーマンとして1000万を借り入れするには、年収3000万円はないと安定した返済は難しいと考えられている訳です。
しかし、博士課程を終了して社会に出たばかりの人間が、これほどの高年収を確保するのは現実的ではありません。
奨学金を借りるという事は、自分の許容量を超えるほどのリスクを背負っている事を認識する必要があるでしょう。
最初は返せていても、返済がまったくできなくなり債務整理を選ぶ人も多いです。
債務整理をすれば奨学金の問題は解決しますが、ブラックリスト入りになり、一定期間ローンを組んだりできなくなります。
デメリットもありますから債務整理しないで済むのが理想です。
そのためには計画的な奨学金の利用が欠かせません。