借金を1本化して支払いを減らすメリットとデメリット
借金の支払を減らす方法の1つに「一本化する」という方法があります。
借金の一本化とは、複数の金融機関から借入をしている時に行うもので、借入先を1箇所の金融機関にまとめてしまうことです。
しかし、借入先を1つにするだけなら借金の支払も何も変わらないのではと思う人もいるでしょう。
ここでは借金を一本化するメリットやデメリットを探ってみます。
借金の一本化によって支払が減る理由は?
最初に借金の一本化をすることで、どうして支払が減るのかを考えてみましょう。
これは貸金業者が行っている金利の付け方に理由があります。
一部の例外を除くと、一般的に貸金業者というのは逆累進性とも言える金利設定をとっており、そのことが借金を一本化するにあたって支払を減らしてくれるのです。
具体的な例としては多くの貸金業者では借入限度額に連動するように、金利の設定をしています。
例えばですが、50万円までなら18%、100万円までなら16%という形です。
仮に3社の金融機関から合計で120万円の借金があったとしましょう。
この時にA社からは50万円、B社からは40万円、C社からは30万円の借入があったと考えると、その金利はすべての業者に対して18%とられることになります。
しかし、借金を一本化した場合、借入限度額の合計は120万円となるので金利が16%と2%減ることになるのです。
結果、とられる金利が少なくなる分、支払うお金も減るという形になります。
また、借金の返済についても最低返済額としては高くなるかもしれませんが、3社合計した分よりは少なくなる可能性もあるので、一本化することには大きな意味があるでしょう。
一本化することのメリットって?
借金を一本化することで得られる最大のメリットは支払金額を減らせる点です。
特に金利が少なくなることは、月々の返済だけではなく完済までにかかる期間すべてにおいて有効なのはメリットですね。
また、月に複数あった借金の返済日を1つにすることが可能なのも利点でしょう。
毎月支払をするための資金管理に苦労していたケースもあれば、仕事が忙しくてうっかりと返済日に振込を忘れたなどのケースは非常に多くあります。
こうしたミスについても月の返済日が1つになれば、極力減らすことができるはずです。
他にも精神的な意味でも返済が楽になるのは大きなメリットになるでしょう。
返済のための資金繰りに気を使わなくて良くなる、支払が少なくなる、この2点があるだけで借金に追いつめられる精神的な負担を軽減できます。
精神的な負担を軽減できれば、日常の生活にも余裕が出てきますので、借金の返済について過度に心配する必要がなくなってくるはずです。
借金を一本化することのデメリットはなに?
まず大きなデメリットとしては、借金そのものが減らない点です。
債務整理を選択した場合、借金そのものを減らすことができますし、金利の負担をなくすことも可能です。
しかし、一本化で軽減できるのはあくまでも金利だけです。
借金を返済する額そのものが減らされるワケではないので、その点は注意してください。
また、大きな額の借入をすることになるので、審査条件が厳しくなる点もあります。
金融機関としても借金を一本化したものの、貸し倒れしましたでは話になりません。
ですので、借金の返済が可能であると判断した場合しか、審査を通過することができないのです。
債務整理では申立をすることで誰でも行うことが可能ですが、借金の一本化についてはその限りではないことを覚えておく必要があります。
言い換えれば、借金返済にまだ余裕がある人なら良いのですが、切羽詰っているという状況であれば、審査そのものに通らない可能性があるのです。
もう1つのデメリットとしては月に返済する額がかえって増えてしまう可能性がある点です。
先程も少し触れましたが、金融機関からお金の借入をした場合、借入額に応じて毎月の返済額が決まるので、少なくできる可能性もあります。
しかし、その反面で金融機関の設定によっては、支払額が増えてしまう可能性もあるので、事前にチェックしておく必要があるでしょう。