借金を抱えている人が逮捕された場合返済は家族が行うのか
キャッシングやカーローンなどを始めとして、何かしらの借金を抱えている人は非常に多いですが、万が一にも警察に逮捕された場合に、その債務について家族が返済を行なう必要があるのでしょうか。
家族が支払う必要はない
まず借り入れについては、借金を抱えている人が逮捕された場合でも家族が返済を行う必要はありません。
融資を受ける際に、連帯保証人として配偶者や親子が名を連ねていた場合は支払いが必須になりますが、連帯保証が無い分には例え血の繋がった人の負債であっても、法律上はそれを背負う必要がないのです。
一般的に配偶者や親子の借り入れについては責任を取らなければならないと考えられており、テレビドラマや映画などでも厳しい取り立てを描写する事があります。
しかし借り入れについては金融機関と個人が交わす契約になりますので、契約した当事者以外が支払いを求められることは基本的に無く、連帯保証などをしていない分には配偶者や親子が支払う法律上の義務は存在しません。
そのため、当人が警察に拘留されて支払いが遅れたり督促状が届いたとしても、配偶者や親子などにその債務について支払いを行なう必要は全く無いのです。
借入自体に逮捕は影響しない
警察に捕まった場合には社会的に大きな制裁を受ける事があり、借入にも何かしら影響するのではないかと心配になる事があります。
まず捕まる事で報道により氏名や顔が公表されますし、また勤めている会社から解雇通告がされたり、学生であれば学校から退学処分を受けるなど様々な制裁を受けることになるのです。
また捕まるとなれば社会的信用を失う事にもなり、経済的にも問題が生じますので、金融機関から何か言われる事が無いのかと心配になるのです。
近年では警察に捕まると会社側は問題の社員を解雇するケースが多くなりますので、解雇となれば収入が無くなり、金融機関側にとっても神経を尖らせる危険もあるのです。
しかし実のところ、借入自体は警察に捕まっても影響が生じることはありません。
これは契約書を見ればよく分かるのですが、警察に捕まるなどの事態について触れている文言はありませんので、例えば契約解除に伴い一括返済を求められる事もないのです。
特にカーローンや住宅ローンなどの多額の融資については心配になる所ですが、キャッシングやカードローンなど小口の融資も含めて直ちに一括で支払いを求められる事はありません。
ただし支払わないと本人に少なからぬリスクが
基本的に借金を抱えている人が逮捕されても、家族が返済を行う必要もありませんし、金融機関から一括で返すよう求められる事も無いのですが、支払わない場合にはリスクがあります。
これは金融機関の立場で考えれば分かりやすく、支払いが遅れる債務者に対しては厳しい態度で臨んでくることになるのです。
まず金融機関は遅延が続くと催告状が届くと共に電話連絡が来るようになり、場合によっては勤務先まで連絡が入ることもあります。
さらに遅延が続けば裁判所に申立てて強制執行が行なわれますので、銀行口座からお金を差し押さえたり、またそれでも足りない場合は家にある家財の差押さえも行われるのです。
また支払いが遅れた期間に応じて遅延損害金が発生しますので、さらに大きな金額を返さなければならないリスクも生じます。
そのため債務については配偶者や親子が遅滞無く支払いをすると共に、万が一にも返せない場合は弁護士や司法書士などに相談しておきましょう。