借金を抱えた人が入るタコ部屋ってどんなもの?
多額の借金を抱えてしまい、返済できない状況になると怖い人に借金返済のために乱暴にタコ部屋に入れられるイメージってドラマや映画の影響で多いかもしれません。
小さい部屋に押し詰められて重労働をさせられ人権もないというのが一般的なタコ部屋のイメージでしょうか?
このタコ部屋と言われるものについて詳しく調べてみました。
そもそもタコ部屋ってなに?
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一般的にタコ部屋と言われるものは狭く不衛生な部屋のことで肉体労働をする人が数人で暮らす事を指します。
そもそもの起源は明治維新をきっかけにした北海道の開拓にあります。
北海道の開拓には屯田兵が利用されていたのですが、当然ながら広大な土地を開拓するほどの労働力はありませんでした。
特に鉄道の建設などにあたっては人手不足だったようで、この労働力不足を埋めるために後の網走刑務所である釧路集治監網走分監に服役していた受刑者を従事させたことが始まりになります。
道路や鉄道などの建設や鉱山開発などの労働力として使われており、粗末な小屋に押し込められて生活をしたことから、それをタコをとらえるための蛸壺に似ているとしたそうです。
語源については定説がないために、幾つか諸説がある現状です。
あまりにも過酷な労働条件であったことから囚人の虐待であるという意見が出始め、1894年には受刑者による労働は中止されています。
受刑者によるタコ部屋での労働については禁止されたのですが、民間での失業者や短期労働者などについては、禁止以後も変わらず行われていたようです。
さすがに労働条件の緩和というのはありましたが、それでも一般的な仕事と比較すると厳しいものであったのは変わりません。
現在で言うところのブラック企業のはしりと言っても良いでしょう。
こうしたタコ部屋はいつしか借金を返済できなくなった人が送られる場所というイメージは戦後からですね。
近年はあまり聞かれなくなった?
タコ部屋とは昔のイメージで現在は消滅したかに思えますが現在でもタコ部屋というのは存在するそうです。
お金を貸して返せなくなったら、労働力として業者に人的取引を行って送られる流れは変わらないのかもしれません。
ただ時代と共に少なくなっているという情報も聞かれます。
給与もまともに支払わませんので、お金はたまらずほぼ飼い殺しの状況にされてしまうようです。
そこから運良く逃げ出すことができなければ、一生をその職場で終えてしまう可能性もあるのだからかなり恐ろしい環境でしょう。
現在のタコ部屋ってどうなっているの?
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形や環境を変えて、借金返済が不可能になったら重労働させられる場所へ半強制的に移動させられる関係は現在もあります。
それが現在のタコ部屋なのかもしれませんね。
ではどのような業者でお金を借りるとタコ部屋に送られる可能性があるか?
いわゆる非合法の貸金業者であるヤミ金です。
ヤミ金でお金を借りた場合、利息制限法で定められた金利とはかけ離れた暴利をとられてしまいます。
良く言われるトイチという言葉は10日で1割という金利を指しているのですが、悪いヤミ金でになると10日で5割、10割なんて金利を取るヤミ金も存在しています。
こうした非合法の貸金業者に関わってしまった場合、当然のことながら最初から貸したお金を回収できるとは考えていません。
タコ部屋のような場所に送ることで得られる手数料や、入ってくる給料などを搾取するのが目的になるようです。
そもそも違法な貸金業者であるヤミ金からお金を借りるということが、タコ部屋にも関わってしまうことに繋がるかもしれません。
ひたすら労働させられて、時には医療廃棄物の処理や通常の業者が断るような劣悪な仕事ばかりをさせられ、食事も不衛生だったり栄養不足になってしまったりと問題が多いようです。
参考