借金を抱えている人の住民票は債権者に閲覧されることがあるのか
借金を抱えている人は、債権者によって住民票を閲覧されることがあります。
それは一体どういう理由によるものか、そもそも他人が住民票を勝手に閲覧してもいいのか?
債務者としてはこうした疑問が湧いてくるでしょう。
そこで今回は、債務者の住民票を債権者が閲覧する理由と、閲覧の可否について考えてみたいと思います。
さらに、債務者が債権者に住民票を閲覧されないようにする方法についてもご紹介します。
債権者の住民票は勝手に閲覧されることがある
債務者の住民票は、債権者によって閲覧されることがあります。
それはどんな場合かというと、債務者が契約を履行しないときです。
つまり、借金をしているにも関わらず、それを返済しないときです。
居場所が確認されている状態で返済しないときは、本人と連絡をとって返済を請求することができますが、電話もつながらない、居場所も分からないときは、返済を請求するために本人の居場所を確認しなければなりません。
そういうときに、債権者によって住民票が閲覧されることがあります。
債務者が遠く離れた場所にいても、振込みなどで返済すれば問題ありませんが、それも行わないでしかも連絡もつかないとすれば、債権者としては本人に会いに行くしかありません。
そしてその居場所が分からないということは、どこか別の場所に移転して逃亡したことが考えられますので、その足跡を辿るために債権者は住民票をチェックします。
他人の住民票がとれるのか
債務者にとって疑問に思うのは、債務者の住民票を債務者以外の人が取れるのか?という点でしょう。
これは一見プライバシーに関わる問題なので、他人は閲覧できないと思われるかもしれませんが、正当な理由がある場合には他人でも住民票を取ることができます。
その正当な理由とは、他人の住民票を取るうえで、行使する権利を持っていることです。
債務者の住民票を取るときは、逃げた債務者からお金を返してもらう権利があれば、それが住民票を取る正当な理由になります。
例えば、返済期日を守らないで逃げられた場合や、必要な額を支払わないで雲隠れされた場合です。
住民票には個人情報が記載されていますので、通常は本人以外が閲覧することはできませんが、このように正当な理由がある場合には他人でも住民票を閲覧することができます。
ここでは個人のプライバシーと権利が交錯しますが、権利のほうが優先されるというわけです。
プライバシーは本人の自分が果たすべき義務を果たしていれば守られますが、それを果たしていないときは守られません。
債権者に住民票を閲覧されないようにする方法
すでに述べたように、借金を抱えている人は債権者によって住民票を閲覧されることがあります。
住民票には個人情報が記載されているといいましたが、これを他人に閲覧されることを嫌う人もいるでしょう。
では、債権者に自分の住民票を閲覧させないようにするには、どうしたらいいのでしょうか?
これはとても簡単なことで、債権者が住民票を閲覧するための正当な理由を持てないようにすることです。
つまり、借金の契約をきちんと履行して、支払うべきものをちゃんと支払うことです。
必要な額を決められた期日までにちゃんと返済しておけば、債権者は債務者の住民票を閲覧する正当な理由を持つことができませんが、またそうする必要性もなくなります。
なお、債権者が借金に関わる借用書や訴状を持っていなければ、借金の事実があったとしても住民票を取ることができません。