個人間で借金をやり取りする場合に代理人は必要なの?
友人同士や家族間で多少の額なら貸し借りをすることもあるはずです。数万円程度なら借用書などを作らず、そのままやり取りをするケースが多いのですが、これが数十万円、数百万円ともなってくると話が違ってきます。
こうした大きな額で個人間の借金をやり取りをする場合、代理人を立てる必要があるのかを考えてみましょう。
借用書を作るのに代理人は必要なの?
原則として借用書を作るだけであるのなら、代理人を立てる必要はありません。
インターネット上などで借用書にテンプレートを提供しているウェブサイトも多いのですが、実はそのまま流用すると思わぬ契約の落とし穴を作ることがあるのです。
お金の貸借というのは、個人間であってもその関係に大きな影響を与えます。
上述したように、数万円単位ならそこまで気にしない人も多いでしょうが、額が大きくなってくれば、慣れ合いですませていい話ではありません。
そうした時には、やはり代理人を通してしっかりと書類を作成した方が良いでしょう。
素人が浅薄な知識で作った書類ほど抜け道があるものです。
後々のトラブルを防ぐという意味でも、最初から専門家である弁護士などに任せてしまった方が良いでしょう。
実は借用書に法的な強制力はない
借用書とは貸主と借主の間でお金の貸し借りがあったことを証明する書類ですが、1つ注意しておきたいのは借用書そのものに法的な強制力がない点です。
借用書があるからといってそれだけで返済を迫ったり、給与の差押などの措置が取れるわけではありません。
ですが、記憶の食い違いや解釈の違いによるトラブルを防いだり、裁判になった時には証拠の1つになるものです。
しかし、この借用書を作るのにあたっては実は細かいことまで記載する必要があり、それらすべてを盛り込むのは法的な知識がある程度必要になってきます。
原則としては、誰が誰から、いつにどれだけのお金を借りて、いつまでに返済しますという内容を記載することになるのですが、それだけでは不十分です。
利息を取るのなら利息について明記したり、支払に遅れた場合の取り決めなどもありますので、素人では難しいと言って良いでしょう。
借用書を作る場合の代理人は誰に頼めばいい?
代理人にも色々とあるのですが、やはり法律の専門家に依頼するのか一般的です。
借用書の作成という点で見れば、弁護士、司法書士、行政書士といった専門家が存在します。
ただ書類を作るだけというのであれば、行政書士の人に依頼するだけでも問題ないでしょう。
しかし、将来的なリスクや後々のトラブルのことまで考えると、やはり弁護士に依頼する方が賢いかもしれません。
どのくらい料金が必要になるのかは各法律事務所などによって異なりますので、自分の都合にあわせて利用すると良いでしょう。
ちなみにですが、借用書にしても公正証書にしておくと、さらに信用力の高い書類にすることが可能です。
この場合、法律の専門家である公証人が法律に従って作成することになり、公証役場という場所に赴く必要があります。
公正証書にすると、借用書ではなく金銭消費貸借契約公正証書という書類になり、仮に返済が行われなかった場合は、裁判所の認可なしで差押手続きができるほどの強制力を持っているのが特徴です。
執行認諾約款を事前につけておく必要がありますが、それでも普通の借用書とは大きく異なる影響力を持っています。
代理人を立てることで、公正証書も含め安心して個人間で借金のやり取りができるようになると言って良いでしょう。