自分に借金がいくらあるか分からない、どうやって調べればいい？

貸金業者では、借り入れ金額に応じて審査が厳しくなっていきます。

個人の場合、100万円を超えると大口扱いになり、審査落ちする人が出てくるでしょう。

ただし複数の会社を利用すれば、トータルで100万円を集めることも難しくはありません。

そこで問題となるのが、借金の総額です。

A社の利息支払いのために、B社から新たに借りる、B社のためにC社からも借りるといった具合に、自転車操業を始めてしまう債務者も多いのです。

借金完済を目指すためにも、借り入れ状況を必ず自分で把握してください。

取引先が5社未満なら自力計算しよう

借り入れ先を把握しているなら、自分で借金の総額を計算することができます。

まずは毎月、貸金業者から送られてくる請求書や明細書を用意しましょう。

書類の中に残高が記載されていますので、それを合計すれば現在の総額が分かります。

契約時に郵送を拒否していたり、そもそも請求書が未発行の会社と取引している人もいらっしゃるかもしれません。

その時は借り入れ先に対して、取引履歴開示請求をしてください。

申請方法は金融機関によって多少の違いがありますが、本人確認書類と取引履歴開示請求書を郵送すれば簡単に入手できます。

■貸金業法19条の2に基づく取引履歴の開示請求書
http://www.kabarai.net/format/dl/torihikirireki.pdf

中には郵送処理に対応しておらず、電話や直接店舗へ行かなければ開示してくれない会社も存在します。

総額を知るためには取引履歴が必要となりますので、状況に応じて嫌がらずに動きましょう。

またインターネット上から契約を行った人は、専用の管理ページが付与されているはずです。

手元に書類が送られてこなくても、管理ページにログインすれば借金の残高を調べることができます。

取引先が5社以上なら信用情報機関に頼ろう

多重債務に陥ってしまうと、借金の総額だけでなく、どこから借りているのかも分からなくなります。

この場合は、信用情報機関を利用してください。

信用情報機関に情報開示請求の手続きを行うと、取引先の金融機関や返済額、借金残高、事故情報などのデータが入手できます。

信用情報機関は3つあり、銀行との取引なら全国銀行個人信用情報センター、消費者金融なら日本信用情報機構、クレジットカード会社ならシー・アイ・シーに情報が記録されています。

金融機関や貸金業者によって登録先が微妙に違いますので、必ず3社全てから取り寄せましょう。

法務事務所などでは代行サポートを実施しており、請求時の面倒な手間を省くことができます。

代行料金は無料ではないため、取引先がとても多いと予想される時に利用すると良いです。

さて自力又は専門家に頼り、信用情報機関から情報を集めたら、それらを基に残高を合計しましょう。

今まで不明であった借金の総額、及び借り入れ先が判明します。

問題が解決できたら、今後のことを考えて借金を一本化しておくと便利です。

返済先を1つにまとめられれば、管理もしやすくなります。

低金利ローンの会社に設定すると、月々の利息も減ります。

ただし過払い金返還の権利が消失するため、減額できた借金を減額できずに清算してしまう恐れもあります。

一本化する時には、取引履歴をきちんと把握してからまとめましょう。

相続による借金を調べる方法

借金は自分で作ってしまうだけでなく、家族から受け継ぐことでも生じます。

交通事故などで被相続人が急に亡くなってしまえば、資産や借金についての話し合いをする暇もなかったはずです。

いい加減な性格の人なら、書類にまとめきれなかった可能性すら考えられます。

調べ方は、自分で作ってしまった借金の時とほとんど同じです。

信用情報機関から個人信用情報を開示してもらえば、どこの会社からどれだけのお金を借りていたのかが分かります。

請求者本人の情報を求めるわけではないため、法定相続人であることを証明する戸籍謄本を用意しておきましょう。

資産額と借金総額を差し引いた時に、マイナスの方が多いようなら相続を放棄した方が良いです。

被相続人が金融機関だけでなく、個人から借金をしていたかもしれません。

当然、信用情報機関では個人間の取引は記録されていませんので、友人や知人の借金は残された家族で調べてください。